EXHIBITIONS

入江早耶「東京大悪祭 ~Happy Akuma Festival~」by 東京画廊+BTAP

2022.09.22 - 10.09

入江早耶 青面金剛困籠奈ダスト 2020

入江早耶 超立身出世 Super Cult of Success(Ed.1/30) 2021

 CADAN 有楽町では、入江早耶の個展「東京大悪祭 ~Happy Akuma Festival~」が開催されている。銀座を拠点にする東京画廊+BTAPによる企画。

 入江は1983年岡山県生まれ。2009年に広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程を修了し、広島を拠点に活動している。2009年に岡本太郎現代芸術賞に入選、2012年には第6回 shiseido art egg賞を受賞した。近年の主な個展に「純真遺跡 〜愛のラビリンス〜」(兵庫県立美術館、2019)、「大悪祭」(広島芸術センター、2021)。平成31年度ポーラ美術振興財団在外研究助成を得て、今年ニューヨークのISCPレジデンスプログラムに参加した。本展は帰国後初の個展となる。

 印刷物などの日用品に描かれたイメージを消しゴムで消し、その消しカスを用いて彫像を制作してきた入江。本展ではコロナ禍への応答として、近年入江が取り組んでいる神話や民間信仰にまつわる新作を発表する。

 江戸時代における神仏と祈りに関する伝承からインスピレーションを得た《青面金剛困籠奈ダスト》は、疫病を払うとして祀られてきた青面金剛に由来。本来は病を撒き散らす悪鬼をあえてまつることで、病の拡散を防ごうとした独特な風習に着目し、消した薬箱などから現代版・青面金剛を導き出した。彫像の手には、感染予防用のマスクや消毒液がモチーフとして取り入れられ、足元では邪鬼となったウイルスを懲らしめている。

 その他、古い薬袋を用いた《薬魔地蔵ダスト》や消しゴム版画による護符の絵画など、いずれもユニークな手法で制作された作品群が一挙に展示される。また《地獄みくじ》や、過去の作品を掲載した部数限定のカタログなど、様々なグッズも販売している。