EXHIBITIONS

川田喜久治「VORTEXのために」

PURPLE
2022.09.13 - 10.04

川田喜久治 満月 東京 2018

 戦後日本を代表する写真家のひとり・川田喜久治の個展「VORTEXのために」が、京都のPURPLEで開催されている。

 川田は1933年茨城県生まれ。55年、新潮社に入社。59年に新潮社を退社しフリーランスとなる。奈良原一高、東松照明、細江英公、佐藤明、丹野章らと共に写真エージェンシー「VIVO」(1959〜61)を設立。敗戦という歴史の記憶を記号化するメタファーに満ちた作品「地図」を65年に発表して以来、現在に至るまで、つねに予兆に満ちた硬質で新しいイメージを表現し続けている。

 川田は自身の作品を「時代の中の特徴的なシーンと自分との関係をとらえて表現し、その時の可能な形でまとめ上げ、その積み重ねから一つのスタイルが生まれてくる」と語る。近年はInstagramにて写真への思考をめぐらせながら、日々作品を投稿し続けている。

 今夏、川田がInstagramのアカウントにアップロードし続けている膨大なデジタル作品群から選ばれた252点からなる写真集『Vortex』(赤々舎)が刊行された。本展は同名写真集に収録されているイメージに、過去の作品を混在させた構成で、「Vortex(渦)」へつながる世界観を展覧する。