EXHIBITIONS
オルタナティブ・ロマン
⼤阪・上町台地をめぐる現代美術展「オルタナティブ・ロマン」が開催される。会場は阪⼝楼、旧住友吉左衛⾨茶⾅⼭本邸⼟蔵、旧⿊⽥藩蔵屋敷⻑屋⾨、あべのハルカス、浄國寺の5ヶ所。
上町台地とは、最北端に⼤阪城、最南端に住吉⼤社を置き、標⾼8から20メートルほどの⾼台になっている地域のこと。ここでは、⼤阪市の⼤部分が海底にあった太古から⼈々が集住し、特に古代から中世にかけて⼤阪の⽂化の集約が⾒られ、それに伴い多彩で豊かな⼈々の営みが⾏われてきた。いまでもその中⼼地には、⽇本で最初の官寺である四天王寺と、⽇本で⼀番の⾼層ビルであるあべのハルカスを、わずか1キロメートル圏内に隣接させるという古今が渾然⼀体となった景観を育んでいる。
上町台地という特異な場所において、アーツサポート関⻄に設けられた「上町台地現代アート創造⽀援寄⾦」からの助成を受けたアーティストの制作やリサーチ活動が2018年以降、継続的に繰り広げられてきた。今回、「上町台地」をテーマとした展覧会「オルタナティブ・ロマン」は、それらの取り組みの総体を、ひとつの節⽬として広く公開する機会となる。
本展の参加作家は、会社員を経て、1998年頃より写真家として活動し、現在はカリフォルニア州オークランドを拠点にする兼⼦裕代、周辺環境への取材とその場の関係性の構築から出発し、インスタレーション作品制作および展覧会企画を行うアーティストの笹原晃平、地震により倒壊した家、そこに差し込んだ光を新しく⽣まれた光ととらえて、象徴が明滅するような儀式・空間を構築し、失ったモノにアプローチする松⽥壯統、歴史や習俗や習慣をもとに、社会や⾝体、⽇常に内在している営為や現象を視覚化した作品を制作するYukawa-Nakayasu、そして、⽇常に溶け込んでしまった「痕跡」に焦点を当て、その奥に存在するであろう⽬には⾒えない不確かな部分から作品を生み出す葭村太⼀。本展では5名のアーティストによる、上町台地における地域調査・地域介⼊の結果を⼀堂に集めて紹介する。
本展キュレーターの笹原晃平は展覧会のコンセプトについて、以下のように述べている。
「⼤阪の上町台地ではこの数年、その特異な⽂化史へ呼応する形で、アーティストによる表現の実践が⾏われてきました。それらは、太陽の塔から続く巨⼤シンボル彫刻や、社会実装などのアートイベントや、⼤規模アートフェアといった、昨今の⼤阪で隆盛するアート企画とは全く異なるものです。この⽂脈を『あったかもしれない⼩説』(=オルタナティブ・ロマン)と位置付け、彼⼥ / 彼らが表現を通して史実や⼟地とどのように向き合ったかに迫る展覧会を⽬指します」。
上町台地とは、最北端に⼤阪城、最南端に住吉⼤社を置き、標⾼8から20メートルほどの⾼台になっている地域のこと。ここでは、⼤阪市の⼤部分が海底にあった太古から⼈々が集住し、特に古代から中世にかけて⼤阪の⽂化の集約が⾒られ、それに伴い多彩で豊かな⼈々の営みが⾏われてきた。いまでもその中⼼地には、⽇本で最初の官寺である四天王寺と、⽇本で⼀番の⾼層ビルであるあべのハルカスを、わずか1キロメートル圏内に隣接させるという古今が渾然⼀体となった景観を育んでいる。
上町台地という特異な場所において、アーツサポート関⻄に設けられた「上町台地現代アート創造⽀援寄⾦」からの助成を受けたアーティストの制作やリサーチ活動が2018年以降、継続的に繰り広げられてきた。今回、「上町台地」をテーマとした展覧会「オルタナティブ・ロマン」は、それらの取り組みの総体を、ひとつの節⽬として広く公開する機会となる。
本展の参加作家は、会社員を経て、1998年頃より写真家として活動し、現在はカリフォルニア州オークランドを拠点にする兼⼦裕代、周辺環境への取材とその場の関係性の構築から出発し、インスタレーション作品制作および展覧会企画を行うアーティストの笹原晃平、地震により倒壊した家、そこに差し込んだ光を新しく⽣まれた光ととらえて、象徴が明滅するような儀式・空間を構築し、失ったモノにアプローチする松⽥壯統、歴史や習俗や習慣をもとに、社会や⾝体、⽇常に内在している営為や現象を視覚化した作品を制作するYukawa-Nakayasu、そして、⽇常に溶け込んでしまった「痕跡」に焦点を当て、その奥に存在するであろう⽬には⾒えない不確かな部分から作品を生み出す葭村太⼀。本展では5名のアーティストによる、上町台地における地域調査・地域介⼊の結果を⼀堂に集めて紹介する。
本展キュレーターの笹原晃平は展覧会のコンセプトについて、以下のように述べている。
「⼤阪の上町台地ではこの数年、その特異な⽂化史へ呼応する形で、アーティストによる表現の実践が⾏われてきました。それらは、太陽の塔から続く巨⼤シンボル彫刻や、社会実装などのアートイベントや、⼤規模アートフェアといった、昨今の⼤阪で隆盛するアート企画とは全く異なるものです。この⽂脈を『あったかもしれない⼩説』(=オルタナティブ・ロマン)と位置付け、彼⼥ / 彼らが表現を通して史実や⼟地とどのように向き合ったかに迫る展覧会を⽬指します」。