EXHIBITIONS

橋本知成

2022.10.01 - 10.30

橋本知成 untitled 2022 Photo by Gentoku Katakura

 橋本は陶芸という枠に収まらず、特徴のある金属質な表情を持った作品群を発表し続けている作家。その個展がparcel(まるかビル内)で開催される。

 橋本は、独特な金属質のテクスチャーを持った重厚感のある陶芸作品を制作し、これまで国内外で数々の展覧会で発表してきた。球体を含めた巨大な幾何学形態、モノリスのような作品を、すべて手捻りで土を積み上げて成形し、最終的に金属質が高い釉薬を施したのち、レンガを積み上げた巨大な窯でゆっくりと焼き上げている。

 無機質なフォルムでありながらも、手でつくられた造形には巨大で重厚な物体と人間の身体的との対比があり、美しい金属質の表面は光の当たる具合や長い時間の経過のなかで表情を変えていく。

 本展では、四角柱の陶器作品やモルタルを組み合わせた大型作品を中心に発表。ソリッドで重厚感のあるキューブは重力から放たれたのか、どこか別の場所から長い年月を飛び越してここに置かれているのか、何かの意味を持ってつくられた碑のような印象と同時に、素材の対比と組み合わせによって生み出される違和感と軽やかな浮遊感を持ちあわせている。