EXHIBITIONS

占領期の東京 ――写真家が見た 1945-1952――

2017.10.31 - 11.26

銀座 1947 撮影=稲村隆正

銀座 1947 撮影=稲村隆正

リームを回して物乞いする孤児 上野駅 1946 撮影=林忠彦

剥製になった猛獣 上野動物園 台東区 1948 撮影=小柳次一

 敗戦によって抑圧を解かれた日本の虚脱と解放を物語る写真作品の数々を公開する。
 
 アジア・太平洋戦争の敗戦によって1945年9月2日の降伏条約調印から1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約発効まで連合国軍に統治された日本。平和と自由を得て新生日本に向かったといわれるこの時期は、「戦後」ではなく、「休戦中の戦時下」であった。

 あらゆる物資が入手困難であったなか、写真機材も不足していたが、47年に創刊されたグラフ誌『週刊サンニュース』やカストリ雑誌などに写真家の仕事が残されている。

 本展では、戦中から報道写真家として活躍した木村伊兵衛、藤本四八、田村茂、笹本恒子、林忠彦らベテランから、占領期に写真家となった三木淳、稲村隆正、中村立行、田沼武能ら16名の写真家がフィルムにとらえた45年〜52年の東京を紹介。傷痍軍人、住宅難、戦災孤児などの社会問題や、ストリップ劇場、剥製にした猛獣を展示する動物園、物理学者の湯川秀樹、歌手の笠置シヅ子らの肖像、進駐軍兵士など、時代を写した作品が並ぶ。