NOWHERE —> NOW HERE

　JPSギャラリー東京では3人の日本人アーティスト、Arashi M、MOMO YAMA、井上晋太郎によるグループ展「Nowhere —> Now Here」を開催。本展では、様々な時代に生きる女性の一瞬の表情をとらえた最新作を中心に、女性の社会的地位の向上について対話する機会を設ける。

　MOMO YAMAは上海生まれ、日本育ち。古典的な美女たちを題材に、日常の出来事や思い出、ファッションなど会話を織り交ぜながら、1920年代パリの生活様式を精緻に描き出している。戦争の苦しみから逃れようとした激動の時代に、つかの間の平穏を楽しむ美しい女性の姿を描くMOMO YAMAの作品は、見る者に親密な印象を与える。

　東京都出身、アニメーションのアートディレクターを経て、現代アーティストに転身したArashi Mは、昭和初期の多様な女性に焦点を当てながら作品を描いている。例えば、昭和の少女たちの日常の小さな心の機微を描くことで、電子エンターテインメントやスマートフォン、SNSが存在しなかった時代へと見る者を誘う。

　井上晋太郎は新潟県出身の画家。クリーンなラインとカラフルに光り輝く顔料を大胆に組み合わせ、いまの時代を象徴するような抽象的な女性像を描いている。それぞれの女性のユニークな過去や社会的経験が、色彩や形象の選択に反映され、豊かな物語を持つポートレイトシリーズとして生み出されている。

　3人の作品は、世代間のギャップを創作プロセスに反映しており、時代を象徴するような三者三様の女性像がユニークに表現されている。