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BnA(Bed & Art Film)Program vol.01 “Alive in Dreams”

「BnA(Bed & Art Film)Program vol.01 “Alive in Dreams”」メインビジュアル Design by Heijiro Yagi

太田光海 Untitled

太田光海 Untitled

 宿泊型ミュージアムBnA Alter Museumは、「BnA(Bed & Art Film)Program vol.01 “Alive in Dreams”」と題し、映画上映プログラムおよび展覧会を開催中。

 第1回となる今回は、1989年東京都出身、映像作家/文化人類学者・太田光海の監督作品『カナルタ 螺旋状の夢』(2021、2時間1分)を上映。そしてBnA Alter Museum1階では太田の写真作品を展示している。

 太田は1989年東京都生まれ。神戸大学国際文化学部、パリ社会科学高等研究院(EHESS)人類学修士課程を経て、マンチェスター大学グラナダ映像人類学センターにて博士号を取得した。パリ時代はモロッコやパリ郊外で人類学的調査を行いながら、共同通信パリ支局でカメラマン兼記者として活動。この時期、映画の聖地シネマテーク・フランセーズに通いつめ、シャワーのように映像を浴びる。

 マンチェスター大学では文化人類学とドキュメンタリー映画を掛け合わせた先端手法を学び、アマゾン熱帯雨林での1年間の調査と滞在撮影を経て、初監督作品となる『カナルタ 螺旋状の夢』を発表。また、2021年には写真と映像インスタレーションを用いた個展「Wakan / Soul Is Film」(The 5th Floor、東京)を開催し、さらに熱海で行われた芸術祭「ATAMI ART GRANT」に参加するなど、映画にとどまらない領域で表現、活動している。

 本プログラムで上映される『カナルタ 螺旋状の夢』はイギリスで制作され、『Kanarta: Alive in Dreams』という英語のオリジナルタイトルを持つ。「螺旋状の夢」は、本作の日本公開に合わせてつけられた副題だが、示唆的な響きによって鑑賞者に強い印象を与えてきた。

 今回の企画では、『カナルタ 螺旋状の夢』の公開からまもなく1年を迎えるにあたり、いままでほとんど注目を浴びることのなかった英語の副題をあえてピックアップし、「Alive in Dreams(=夢の中で生きていること)」の意味を問い直す。鑑賞後にそのまま眠りにつける宿泊型ミュージアムの特性を活かしながら、制作当初に本作に込められた意図を届けることができればとしている。

 現在、上映作品の予告編をYouTubeで見ることできる。