EXHIBITIONS

∃に接続するための方法論

TENSHADAI
2022.09.03 - 09.19

キービジュアル デザイン:Yuzuki Asada

鮫島ゆい 呼び継ぎ(祭り囃子) 2022

陸瑋妮 ラベルドローイング;プラスチック水草#1、#2 2022

六根由里香 unconnected 2022

「場所を持たないギャラリー」keshik.jp(代表:黒田純平)が、「何か」という言語化できない存在への接続を試みることをテーマにしたグループ展を開催する。参加アーティストは、鮫島ゆい、六根由里香、陸瑋妮(WEI-NI LU)の3名。

 本企画は、絵画、版画、インスタレーションなどで自身の視点から作品などをレイヤーとして利用しながら、「何か」と接続を試みる作家を迎える。

 鮫島ゆいは京都府生まれ。2010年京都精華大学芸術学部版画専攻卒業。主に絵画表現を中心とした美術作品の制作、発表を行う。現在は、時間・存在の概念において異なる事物の断片を組み合わせるように描く手法を用いて、「みえるもの」と「みえないもの」をつなぎ、あるいは両者の境界を示すことを試みている。

 六根由里香は大阪府生まれ。2021年京都精華大学大学院博士前期課程芸術研究科版画領域修了。日常的に目の前に現れる事象やその結果からなるオブジェクトを、版画技法を用いて分解し、再構成する。それらが別のイメージに変換され、もう一度、目の前に立ち上がることについて考察している。

 陸瑋妮は台湾・台北出身。台北実践大学建築設計専攻卒業後に来日し、2019年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画を修了。異なる素材と印刷技法を用いてプリンティング作品やアートブックなどを制作している。現在、京都を拠点に活動。

 本展の企画者の黒田純平は、「あえて言語化を図らず、作品のコンセプトなどの理解への道標を鑑賞体験など限られた空間内で模索することは、これからの多様性を受け入れていく時代の流れとも感じます」とコメントしている。

 タイトルの「∃」は「ソンザイスル」という意味を持つ、数学で使用される存在記号であり、具体的な言語として現すことは出来ない「何か」という存在そのものを指し示している。本展は、言語化ができない「何か」への接続する方法を模索するための展覧会となる。

 なお作品は9月5日 19:00より、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」にて販売される。