EXHIBITIONS

美術館コレクション

再発見!ジモトアート

人でつながる熊本の美術

富田至誠 通潤橋 1928 熊本県立美術館蔵

宮本武蔵肖像 江戸時代中期(18世紀) 熊本県立美術館蔵

伝矢野吉重 松に虎・竹に虎図屏風(左隻) 江戸時代前期(17世紀) 熊本県立美術館蔵

 熊本県立美術館では、コレクションのうち、熊本ゆかりの絵画、書跡、工芸作品などを取り上げ、近世から近現代に至る熊本の美術の魅力を紹介してきた。今回は「再発見!ジモトアート 人でつながる熊本の美術」と題し、所蔵作品を展示する。

 第1章では、加藤清正、細川忠利ら熊本を治めた藩主たちを軸に、近世熊本を彩った美術を展覧。清正が京都から招いたとされる狩野派の絵師の作品や、清正の御用をつとめた刀工・同田貫派の刀剣、細川忠利の熊本移封に従い豊前から移り住んだ陶工により始まった焼物、そして細川家に仕えた矢野派の絵画などが並ぶ。

 続いて第2章では、熊本における近代日本画の流れを、画家のつながりをたどりながら紹介。熊本近代日本画の礎を築いた杉谷雪樵(すぎたに・せっしょう)、雪樵に師事しその路線を継承した近藤樵仙(こんどう・しょうせん)、細川家の御用絵師の流れをくむ高橋廣湖(たかはし・こうこ)、大正から昭和初期にかけて日本画界の中核を担った堅山南風(かたやま・なんぷう)の作品などを展示する。

 そして第3章では、熊本の洋画の芽生えから発展までを回顧。熊本初の美術団体・熊本美術会を立ち上げた青木彜蔵(あおき・つねぞう)や富田至誠(とみた・しせい)、旧制御船中学で富田に学んだ浜田知明や井手宣通(いで・のぶみち)、浜田らの東京美術学校の同窓である牛島憲之や藤田嗣治らの作品を紹介している。