EXHIBITIONS

久松知子「ホワイトキューブの向こう側」

久松知子「ホワイトキューブの向こう側」より

 NADiff a/p/a/r/tでは、画家・久松知子の個展「ホワイトキューブの向こう側」が開催される。

 久松は1991年三重県生まれ、2017年に東北芸術工科大学修士課程日本画領域を修了。在学中の15年には、第7回絹谷幸二賞奨励賞を受賞した《日本の美術を埋葬する》において、日本の美術界の権威を群像として描いた。続いて、第18回岡本太郎現代芸術賞岡本敏子賞受賞の《レペゼン 日本の美術》では、日本独自の美術史観を可視化して描くなど、歴史的な文脈を出発点として、鋭く美術界の「いま」を表現してきた。

 近年では、「大きな物語」として描いてきた日本の近代美術史と対比し、スマートフォンで撮影した個人的な思い出の写真を絵画に描く「小さな物語」シリーズや、すべての人が絵画を所有する社会が可能なのかを問う試みを展開。アートを買うことの敷居を限界まで低くし、作品を実現することをコンセプトとする「300円絵画」プロジェクトに取り組むなど、つねに新たな表現を挑戦している。

 2022年に入ってからは、作品発表の舞台裏にある情景や、美術品取引の歴史を可視化した個展「芸術の流通」(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY、東京)を開催。新たな着眼点で今日の日本のアート界の現状を描いている。

 本展では、普段観客が目にすることのないアートの流通についての舞台裏を描き、標準化されているアートシステムへの疑問を改めて問いかける。ユニークな視点で日本の美術界の現状を描き出す久松の、最新の表現に注目してほしい。

 なお展示作品は、NADiff a/p/a/r/tの店頭・オンラインおよびオンライン、また「OIL by 美術手帖」にて販売される。