EXHIBITIONS

新鋭展

鵜川真由子 野口靖子 石井陽子

鵜川真由子 「WONDERLAND」より

野口靖子 「赤光の庭」より

石井陽子 「鹿の惑星」より

 入江泰吉記念奈良市写真美術館では、時代の流れのなかで独自の感性を輝かせる若い力を紹介する場として、「新鋭展」を開催している。

 今回の参加作家は、鵜川真由子、野口靖子、石井陽子の3名。若手写真家の個性あふれる作品がつくり出す空間のコラボレーションを感じてもらえるよう、統一したテーマを設けることなく自由な展示で来場者を迎える。鵜川真由子の「WONDERLAND」、野口靖子の「赤光の庭」、石井陽子の「鹿の惑星」のそれぞれのシリーズを取り上げ、3名の異なる視点と表現に焦点を当てる。

 鵜川真由子は株式会社松濤スタジオを退社後、アシスタントを経て独立。広告や雑誌などでポートレイト撮影を中心に活動する傍ら、作品制作を続けている。またアパレルメーカーとのコラボレーション展の企画など、写真を通じて幅広く表現活動を行っている。

 野口靖子は1973大阪府生まれ。ビジュアルアーツ専門学校大阪写真学科夜間部で学んだ。本展で展示される「赤光の庭」は、正方形のフォーマットで撮影されもの。今回、野口は自らの写真的営為をとらえ直す作業を経て、大きな壁面としてこの写真作品を再構成する。

 石井陽子は山口県生まれ、現在は神奈川県在住。レンズ越しに見える世界に魅せられて、国内外を旅して動物を撮影している。2011年3月より、奈良、宮島などで人の街に棲み、人間たちの決めた境界線を軽やかに越えて街を闊歩している鹿たちをとらえたシリーズを開始。本展ではそのシリーズから「鹿の惑星」を展示する。