EXHIBITIONS

新世代への視点2022

藤森哲 展

2022.07.25 - 08.06

藤森哲 往日後来図 2022 Photo by Kei Okano

藤森哲 飛行士立像図 2022

藤森哲 tableau 2021-03(Kushan) 2021 Photo by Kei Okano

「画廊からの発言 新世代への視点2022」は、1993年より銀座・京橋を中心とする有志の画廊が、新鋭作家の個展を同時開催する企画展。23回目を迎える今回、コバヤシ画廊では、1986年生まれの藤森哲を紹介している。

 藤森は神奈川県出身、2011年筑波大学博士前期課程芸術専攻洋画領域修了。仏像や宇宙船、風景などのコラージュを精密なモノクロの油彩によって、混沌としながらもダイナミズムに満ちたイメージを描き出す大作で評価される作家だ。2021年には「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.96 藤森 哲 展」(清須市はるひ美術館、愛知)が開催。主な受賞歴に、「清須市第10回はるひ絵画トリエンナーレ」準大賞(2021)、「第25回岡本太郎現代芸術賞展」特別賞(2022)がある。

 本展で藤森は、過去から見た未来の風景として「往日後来図」と題した作品と、現実世界から、どこか遠くへ離れていってしまった夢の姿として「遠現鏡」と題した2.85×5.55メートルにおよぶ3連作品を発表する。

「こどもの頃に見た宇宙開発についての未来予想図は夢にあふれていた。そこには確かにリアリティーがあったが、その時代がきても実現することはなかった。宇宙開発の未来は、国家間の軍事競争の結果であるが、特段こどもに対しては、そこを不都合な真実かのごとく、省いて提示するがゆえ、明るい未来のおはなしとして語られる。そうして描かれた未来予想図はなんとも宙ぶらりんな絵として、過去の物とも未来の物とも分からぬ状態で、別世界にとりのこされている(藤森哲)」。