EXHIBITIONS

ウー・シャン個展「光彩の連続性」

ウー・シャン《Global Santa》2021

ウー・シャン Release of Essence 2022

ウー・シャン Unable to Distinguish 2022

ウー・シャン Shining Moonlight 2022

ウー・シャン Heard the Sound of the Waves 2022

 ウー・シャンの日本初個展「光彩の連続性」が、ホワイトストーンギャラリー銀座新館で開催されている。オンラインエキシビジョンも同時公開中。

 ウー・シャンは1986年中国・重慶生まれ。ドイツのカッセル芸術大学を経て、2009年に四川美術学院油画科を卒業。その後、北京の中央美術学院研修生過程で学び、現在も北京を拠点に制作を続けている。

 メディウムのひとつである発光顔料が、色彩の強度を際立たせ、混沌としつつも絶妙な調和を見せる色面構成。ウーは、その鮮烈な色遣いと筆勢、またシュルレアリスティックな世界観で鑑賞者を魅了してきた。一見、自由闊達に見える作品は、つねに進化し続ける抽象表現主義に対する追求のもと、綿密な計算と合理性によって成り立っている。

 これまでも自然や環境との関わりにおける人間にフォーカスしてきたウーだが、本展ではより自然環境や広範な「生そのもの」へと作家の関心が移行している。様々な時代のスタイルが断片的に喚起されるウーの絵画には、現在の世相が映し出されている。

 アジアを舞台に、さらに世界的パンデミックを経て、ウーの抽象表現主義は何を吸い上げ、どこへ向かうのか。解放された色彩の生命力に出会う、ウーの日本初個展に注目してほしい。