YUGE「名詞を聞く」

　新宿のGallery -1で、アーティスト・YUGE（ユゲ）によるインスタレーション展示「名詞を聞く」が開催されている。会期は7月31日まで。

　YUGEは広島県出身。雑貨屋の倉庫で自主的に行ったゲリラ展示会からアーティストとして活動を開始。Tシャツやステッカーなどの小物や、廃材や他人から譲り受けた素材などを組み合わせたペインティング作品などを制作していたが、現在は、平面作品制作時に感じた視覚の優位性への違和感から、視覚以外の感覚も用いた表現を模索している。

　本展では、現実と言語の関係を問うインスタレーションを展開。日常生活の音を地下の空間に移し、現実を名付け、言葉によって再び創造する人間の能力を思い起こさせることで、一瞬でも私たちを視界から切り離すことを試みる。

　アーティストは次のステイトメントを出している。「本展では聴覚に着目し、公共という地上で得られた音を地下で再編成することを試みる。明確な名詞を持たない状態で地下に反復される音から、主観的な記憶や経験、空想を頼りに、名詞を選ぼうとする働きかけを通して、存在を名詞化するちからを逆説的に眺める（YUGE）」。