icco Yoshimura 展「add a dash of spice to life」

　ホワイトストーン・ギャラリー軽井沢では、画家・icco Yoshimura（イッコ・ヨシムラ）の個展「add a dash of spice to life」を開催する。

　Yoshimuraは1987年京都府生まれ。実家がフレンチ・レストランを営んでいたことから、幼少の頃より厨房やフロアで多くの時間を過ごす。店の閉店を待ちながらカウンターに座り、ワイン瓶や食器のイラストを裏紙などに描いていたことが自身の原点だと言い、大切な人と食卓を囲む幸福な時間、その尊さこそが今日に至るまでの一貫したインスピレーション源であり続けている。

　本展では、全長10メートルのキャンバスをテーブルに見立て、そこに並ぶ前菜やメインの肉料理、デザート、コーヒーといった晩餐のフルコースを描いた作品《supper》を会場の中央に展示。「描かれた」フルコース・メニューを超え、そこに集まる「描かれない」人々の楽し気な騒めきが想起される。

　その他、牛や羊など食肉用に育てられた家畜を描き、フード・ロスの問題を提起する「shepherd's purse」「pop out」シリーズ、コップ一杯の水への感謝を込めた「The Water of Life」シリーズなど、約40点の作品を展覧する。

　Yoshimuraが展覧会のタイトルとした「add a dash of spice to life」は、「人生にひと匙のスパイスを」を意味し、幼少期から絵を描くこと、料理に触れることに親しんできた自身の作品が、見る人の人生に新たなスパイスを与える存在でありたいとの願いが込められている。