EXHIBITIONS

小津航 個展「On the Ground / On the Table」

2022.07.15 - 08.06

小津航 Crater 2022

小津航 face - Standing Figure - 2021

小津航 Rain Painting #Ⅱ 2022

 MARUEIDO JAPANでは、画家・小津航の個展「On the Ground / On the Table」が開催される。

 小津は1991年東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専を修了し、現在は茨城県取手市のスタジオ航大を拠点に活動している。大学院卒業後に自身の制作を振り返り、東洋美術の山水画、浮世絵、洋風画(油彩画が導入される前の江戸期の絵画)の表現に興味を抱いてきた小津は、絵画の「静物画」「風景画」「人物画」などの基本な主題で描かれた過去の作品を考察してイメージを引き出し、東洋的絵画空間における「画家とモチーフの関係」や「絵画空間の設定」を探索しながら制作を行っている。

 今回の展覧会名の「On the Ground / On the Table」は、東洋と西洋の静物画のタイトルから選んだ。ここ数年、小津がモチーフにしているリンゴは、西洋美術では卓上の静物画としてだけではなく、宗教的な象徴としても多くの作家に描かれてきた。今回はそのリンゴをアトリエの床に置き、周囲を歩きながら焦点を移動させ、東洋的なモノのとらえ方や絵画空間を意識し直した新作を発表する。

 また人物画では、戦後まもなく36歳で没した松本竣介の代表作《立てる像》(1942、神奈川県立近代美術館蔵)をモチーフに制作。異なる時代に生き、小津と同じ30歳で描いた画家の視点などを考察した作品、また、絵具を頼りに描くモデルのいない肖像画を展示する。

 そして風景画では、歌川広重などの浮世絵や、近代日本画で見られる雨の表現を効果的に画面上に使った作品など、モチーフは幅広く展開する。