EXHIBITIONS

岩名泰岳

<七ツノ華>より

岩名泰岳 幸ある野の人(部分) 2017

岩名泰岳 幸ある野の人 2017

 岩名泰岳は1987年三重県生まれ。成安造形大学を卒業後、2010年から2年間ドイツのデュッセルドルフ芸術アカデミーで研究生として学び、帰国後、村民芸術を提唱する「蜜の木」活動を開始。17年からは旧島ヶ原村に集まる芸術家、職人、学者たちによる「過疎結社(仮)」の活動を実践し、新世代作家を代表する存在として新しい絵画表現を切り開いている。

 島ヶ原の原風景や祈りの姿をモチーフとして、岩名は村に潜在するナラティブを色彩豊かに描き出してきた。本展タイトルは、1927年当時の三重県旧阿山郡西部青年団が中心となって発行していた文集『七ツノ華』を、岩名が地元の歴史取材中に発見したことが元になっている。「農村青年の飛び出す原因を知れ」と書かれた1927年編纂の文面からインスピレーションを受けた岩名は、時代を超えた人間の心の深部を描き上げようとする。