マシュー・パラディーノ「9LivesAutoSaveCat」

　NANZUKA 2Gでは、アメリカ人アーティスト、マシュー・パラディーノの新作個展「9LivesAutoSaveCat」を開催。本展は3110NZ by LDH kitchenでの「High Desert Bloom」展との同時期開催となる。

　パラディーノはサンフランシスコ出身。カリフォルニア美術大学を卒業し、現在はボリビアで制作活動をしている。これまで多数の展覧会に参加。ホイットニー美術館（ニューヨーク）などにも作品が収蔵されている。

　若い頃にマンガやゲームのグラフィック的なイメージの影響を受けたというパラディーノ。その作品は、グリッド状に整理された配置、グラフィカルなグラデーション表現、ビビッドな色彩、強制的な視点の平面化といった構造が意図的に採用されており、次元を通過する試みとして解釈できる。

　果物、植物、置物、動物、キャラ、人影など、これらが整理・配置された幻想的な水彩絵画は、その緻密さでデジタルの精度を連想させるいっぽう、3DCGと3Dプリントの技術を用いた半立体作品は、アナログとデジタルの境界を横断する。

　2会場での開催となる今回は、パラディーノにとって日本での初めての展覧会。NANZUKA 2G（7月1日～30日）では、ロボット型のネコを題材に、3Dプリンタで制作された反立体作品のシリーズを発表する。

　また、3110NZ by LDH kitchen（6月28日〜7月30日）における展示では、南米ボリビアでの生活を通して、パラディーノが新たな題材として好んで執着するサボテンを描いた、水彩画のシリーズが展示される。