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EXHIBITIONS

こぐまちゃんとしろくまちゃん

絵本作家・わかやまけんの世界

2022.07.02 - 09.04

『しろくまちゃんのほっとけーき』(こぐま社)より © わかやまけん

『こぐまちゃんのみずあそび』(こぐま社、1971)より リトグラフ/こぐま社蔵

『りぼんをつけた おたまじゃくし』(野村トーイ、1967)より 原画/個人蔵

『きつねやまのよめいり』改訂新版(こぐま社、1978)より リトグラフ/こぐま社蔵

『おばけのどろんどろん』(ポプラ社、1980)より 原画/個人蔵

『あかべこのおはなし』(こぐま社、1980)表紙 リトグラフ/こぐま社蔵

 世田谷美術館で展覧会「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」が開催される。べストセラー『しろくまちゃんのほっとけーき』などで知られる絵本作家・わかやまけん(1930〜2015)の創作の全貌を紹介する、初めての展覧会。

 わかやまけん(本名:若山憲)は岐阜県岐阜市出身。グラフィックデザインの仕事を経て、24歳で上京し、教科書の挿絵や紙芝居などを手がけたのち、絵本の創作活動の道に進んだ。「こぐまちゃんえほん」シリーズ(こぐま社)のほか、詩的な画風で独特の絵本の世界を築くとともに、絵本の研究誌『月刊絵本』創刊にも関わり、絵で読む絵本「純絵本」を提唱するなど、絵本文化の普及にも尽力した。

 わかやまの代表作のひとつ「こぐまちゃんえほん」シリーズは全15作からなり、1970年の記念すべき第一作『こぐまちゃんおはよう』の誕生以来、世代を超えて読み継がれてきた。

 本展覧会は、「日本の子供たちが初めて出会う絵本をつくりたい」というコンセプトのもとに生まれた、「こぐまちゃんえほん」の誕生50周年を機に、色あせることのない魅力と知られざる創作の過程を紹介。絵本原画や絵本制作の過程で刷られたリトグラフのほか、雑誌の表紙原画、関連資料など約230点によって、わかやまがつくり出した豊かな作品世界を楽しむことができる。

 また本展では、やさしく幻想的な絵に現代社会へのメッセージを託した『きつねやまのよめいり』(こぐま社、1968年初版/1978年改訂新版)、泣き虫だけれど一生懸命な「おばけのどろんどろん」を主人公としたシリーズ(ポプラ社、1980〜1989)、さらには日本の民話をテーマとした絵本や、詩集のための挿絵など、わかやまの多彩な創作活動についても探る。