EXHIBITIONS
ピウス・フォックス「Endgeister」
ドイツ・ベルリン出身の作家、ピウス・フォックスの個展「Endgeister(エンドガイスター)」が104GALERIEで開催されている。
フォックスは1983年生まれ。ベルリン芸術大学(UdK)修士課程修了。現在もベルリンを拠点に、ニューヨーク、ロンドン、パリなど各国の主要都市での個展やグループ展で作品を発表している。
日本での3年ぶりの個展となる本展では、近年、フォックスが積極的に取り組んでいる中・大型作品の最新作と、継続して制作している小作品を交えて展示。ドイツ語の言葉「Entgeistert(唖然とする)」と「geister(ゴースト)」からできた造語「Endgeister」をタイトルとし、古代神話の登場人物の顔像と、宇宙に広がる星座から発想を得た抽象作品で構成される。
展覧会のタイトルには、ロシアのウクライナ侵攻や新型コロナウイルス感染症の流行、地球環境破壊など、世界が急速に変わり続けていることに呆然とするという心情、そして自分が描いている古代の顔たちは幽霊なのだという作家の実感が込められている。しかしこのような世界の終末(End-geister)にも似た感覚だけでなく、これまでの歴史、現在、そして未来を含めた「時間の流れ」も、本展のテーマのひとつとなっている。
フォックスは絵具を何層も重ね、表層を削ったり引っ掻いたりする工程を何度も繰り返す手法で知られている。またペインティングとドローイング、抽象と具象、形状と文脈のあいだを絶えず転換するかのような視覚的効果が、作家が取り組むテーマに奥行きを与えている。下層から現れる様々な色や、建築的要素を思わせる独自の構図は、鑑賞者にある種の懐かしさや記憶をたどるような感覚を、そして未知の視覚体験を呼び起こす。フォックスが提示する世界観の新たな展開に注目してほしい。
フォックスは1983年生まれ。ベルリン芸術大学(UdK)修士課程修了。現在もベルリンを拠点に、ニューヨーク、ロンドン、パリなど各国の主要都市での個展やグループ展で作品を発表している。
日本での3年ぶりの個展となる本展では、近年、フォックスが積極的に取り組んでいる中・大型作品の最新作と、継続して制作している小作品を交えて展示。ドイツ語の言葉「Entgeistert(唖然とする)」と「geister(ゴースト)」からできた造語「Endgeister」をタイトルとし、古代神話の登場人物の顔像と、宇宙に広がる星座から発想を得た抽象作品で構成される。
展覧会のタイトルには、ロシアのウクライナ侵攻や新型コロナウイルス感染症の流行、地球環境破壊など、世界が急速に変わり続けていることに呆然とするという心情、そして自分が描いている古代の顔たちは幽霊なのだという作家の実感が込められている。しかしこのような世界の終末(End-geister)にも似た感覚だけでなく、これまでの歴史、現在、そして未来を含めた「時間の流れ」も、本展のテーマのひとつとなっている。
フォックスは絵具を何層も重ね、表層を削ったり引っ掻いたりする工程を何度も繰り返す手法で知られている。またペインティングとドローイング、抽象と具象、形状と文脈のあいだを絶えず転換するかのような視覚的効果が、作家が取り組むテーマに奥行きを与えている。下層から現れる様々な色や、建築的要素を思わせる独自の構図は、鑑賞者にある種の懐かしさや記憶をたどるような感覚を、そして未知の視覚体験を呼び起こす。フォックスが提示する世界観の新たな展開に注目してほしい。