EXHIBITIONS

平成29年度センチュリー文化財団寄託品展覧会

空海と密教の典籍

慶應義塾図書館展示室、慶應義塾大学アート・スペース
2017.11.13 - 12.15, 2017.11.13 - 12.08

弘法大師像(部分) 室町]時代 センチュリー文化財団蔵

弘法大師像 室町]時代 センチュリー文化財団蔵

『遍照発揮性霊集(へんじょうほっきしょうりょうしゅう)』 編=真済 慶長12年刊(高野版) センチュリー文化財団蔵

 入唐し、日本に体系的な密教をもたらした空海(774-835)。その活動は広範囲にわたり、唐から経典や法具を請来するとともに、独創的な著作を多く残した。後世では、伝説化した事跡が弘法大師伝に描かれ、空海に仮託した書物も書かれてきた。真言密教の教えは多くの法流に分岐しながらも脈々と受け継がれ、中世には貴族社会・武家社会の求めに応じて多様な密教儀礼が展開し、多くの典籍がつくられた。

 本展では、空海の著作やその注釈書を通して、その事跡と伝承を紹介。また、密教儀礼に伴ってつくられた典籍や仏画を通して中世の密教僧の営みにも光を当て、密教や空海への信仰が文芸など他の領域に及ぼした影響も取り上げる。