EXHIBITIONS

李菲菲+渡辺晴男 2人展「Shapes&Colors」

2022.06.25 - 07.12

李菲菲 儚の物語(変化過程より) 2021

李菲菲 儚の物語(変化過程より) 2021

渡辺晴男 参考画像

渡辺晴男 参考画像

 李菲菲(リフェイフェイ)と渡辺晴男による2人展「Shapes&Colors」がギャラリークトーで開催される。

 李は中国・遼寧生まれ。2017年に東京藝術大学大学院油画第3研究室を、22年に同大学大学院博士後期課程美術研究科美術専攻を修了。「消滅、虚無」の臨界に近づいていく様態を「儚の進行態」と呼び、蝋(ろう)をランダムに加熱していくことで不規則な変化を見せる作品を手がけている。

 李は作品のかたちを、自身の人生を象徴するものだという「五重塔」からとっている。個人の内面を象徴する五重塔を融かすのは、自我を溶かし、また環境と融合させるためであり、環境による再構築を受け入れることは、消滅の先の新たな可能性を示唆すると作家は述べている。

 渡辺は1947年東京都生まれ。東京農工大学工学部工学系研究科修士課程修了。90年にアフィニティー株式会社を設立し、自律応答型調光ガラスの研究開発と製造販売、太陽電池モジュールの研究開発に取り組む。現在は主にカラー液晶(構造色)による表現形成の研究を行っている。

「色」を扱う渡辺は、本展で新しい構造色からなる作品を発表。絵具のような面的な表現もできる技法を追求し渡辺が創作した、一対の板ガラス間にカラー液晶を薄く内包した積層体は、視角や温度によて変色現象を生じさせる。これは先端科学技術アートともいえる新たな試みとなる。