EXHIBITIONS

In Between

MIDORI.so Bakuroyokoyama 6 / 7F
2022.06.20 - 07.15

ブラム・ブラーム Quarantaine #12 2022

ブラム・ブラーム 左から《White》《Black》(ともに2017)

キャブ・ケニンゲール Broken Flowers

キャブ・ケニンゲール Pattern Recognition

ラトガー・ド・ヴリー Mystify # 3 2022

ラトガー・ド・ヴリー ReREMIX #8 2022

グラハム・マーティン Looking 2020

グラハム・マーティン Keep Clear 2020

 Galerie Supermarktは、Midori.soとの共同キュレーション展「In Between」を開催する。

 本展では、それぞれの表現方法で、個人的、文化的、社会的なコンテクストに挑戦し続けている4人のアーティスト、ブラム・ブラーム、キャブ・ケニンゲール、ラトガー・ド・ヴリー、グラハム・マーティンが参加。「In Between」と題し、過去や未来、現実と想像、可能性と不可能性など、様々な概念や枠組みのあいだで表現している4作家の作品を展示する。

 ブラム・ブラームはオランダ出身、現在ベルリンを拠点に活動。建築や都市空間などをテーマに彫刻作品や平面作品を制作しており、ル・コルビュジエや構成主義、20世紀のユートピア思想に影響を受けている。コンクリートや木片、レンガ、などの層で構成された作品は、ミニマルで静かな印象を持ついっぽう、都市のダイナミズムをも感じさせる。

 キャブ・ケニンゲールは、ニューヨークのグラフィティやストリートカルチャーを視覚的に彷彿とさせるコラージュペイントを制作。80年代の図鑑に描かれたビジュアルと90年代のグラフィティやペインティングのスタイルをコラージュに取り入れることで、時空間の概念を作品上で自由自在に組み立てている。

 ラトガー・ド・ヴリーは自作の装置を用い、ミニマリズム的でどこか無機質な表情と、大胆な構図を見せる作品を描く。自身と作品のあいだに「装置」を置き、構図やかたちなどを装置に決めさせることで、ファインアートにおけるアーティストの在り方と作品における著作性を問いかける。

 グラハム・マーティンは、廃墟になった場所やそこに残された遺物などがまとう、そこに居た人々の気配、時代の残り香などを感じ取り、再解釈し作品としている。それは、HIVやAIDSなどの歴史を経て抑圧されてしまったクィアコミュニティに時間と空間を超えてアクセスする試みであり、作家は作品を通して、クィアの歴史に関連する抑圧的な性質や物語を脱構築し、従来の直線的な時間認識を断ち切り、既存の時間と空間にオルタナティブな文脈を与えようとしている。

 私たちが当たり前のように持つ概念、それらの相反する既存の枠組みのあいだ(In Between)で新たな解釈を提示するアーティストたち。作家の「視たもの」を垣間見せる作品は、私たちに新たな知見をもたらしてくれるだろう。