しりあがり寿「心頭滅却すれば火もまたCOOL!! 銀座展」

　しりあがり寿の個展「心頭滅却すれば火もまたCOOL!! 銀座展」が開催。今年4月から5月にかけて京都・東福寺の塔頭、光明院において催された「心頭滅却すれば火もまたCOOL!!」展（企画：桑原茂一）が銀座三越 ギャラリーに巡回する。

　しりあがりは1958年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン専攻を卒業後、キリンビール株式会社に入社し、パッケージデザインや広告宣伝などを担当する傍ら、マンガを制作。85年に単行本『エレキな春』でマンガ家デビューし、白土三平の作品のパロディーやサラリーマンの生活を描いたギャグマンガで注目される。94年に独立し、ギャグ作品をはじめ、文学的・哲学的なテーマを敷いた作品やアンダーグラウンドマンガ、新聞連載の社会派4コママンガなど様々なジャンルの作品を発表してきた。また近年では、展覧会や芸術祭にも参加し表現の場を広げている。

　本展では、光明院の展示で大好評だった作品たちの大部分が、銀座三越のギャラリーに場所を移して展示・販売。しりあがりの近年のテーマである「劣化」、その現在地である「焼き絵」をメインに、仏教における諸行無常の精神や、わび・さびの美学を感じさせる作品が集い、この日々を生きるすべての人たちをユーモアとともに癒す。

　さらに二曲一双の屏風の大作や、光明院で1ヶ月間お経を聞き、禅の風に吹かれた作品たちに加え、新作も登場する。