EXHIBITIONS

Hayama Artist Residency Exhibition 2021

Nadia Liz Estela / Linn Meyers「Light as a Feather」

2022.06.10 - 07.02

リン・マイヤーズ Untitled 2022

ナディア・リズ・エステラ Untitled(yuca/cassava) 2020

 KOKI ARTSは、葉山アーティスト・レジデンシーの第1回展覧会「Light as a Feather」を開催する。参加アーティストは、ナディア・リズ・エステラとリン・マイヤーズの2人。

 葉山アーティスト・レジデンシーは、世界のビジュアルアーティストを日本のカルチャーシーンに紹介し、国内のギャラリーで最初の展示の機会を提供する団体として2020年に設立された。ナディア・リズ・エステラとリン・マイヤーズの2人は、2021年に応募者500人以上のなかから選ばれ、今回が初めての合同展となる。

 ナディア・リズ・エステラはドミニカ共和国生まれ、ニュージャージー州出身。様々な芸術活動を行い、アイデンティティの形成に移住や記憶がどのように関係するのかを明らかにしようとしている。テキスタイルや彫刻的要素を多く取り入れたミクストメディア作品は、移住の持つ重層的な側面を想起させ、見えざるものを明るみに出す、気づきを与えてくれる。

 またエステラは、人生と社会の構成要素でありながら、その存在が意識されない、規範や道徳、レッテルについて探求。矛盾が同一平面に存在する絵画は、集団的あるいは個人的な旅とは何か、自分にとっての社会的あるいは文化的な中心地にいかに導かれるのか、私たちはどのようにここにたどり着いたか、偏見はいかなる影響をもたらすのか、不平等から得られる利益とは何か、そして、この多層的なるものは一体をなすのか、あるいは分離を維持するのか、と問いかけてくる。

 リン・マイヤーズはワシントンD.C.を拠点としているアメリカ人アーティスト。そのペインティング、ドローイング、そしてサイトスペシフィック・ワークは、紙、犢皮紙、マイラー樹脂、ギャラリー壁面など様々な素材の表面に、描線と色彩を反復させることで制作されている。

 マイヤーズのすべての作品はひとつの印から始まり、それは既成の円の枠組みをなぞった線でもあれば、あるいは単純なひとつの動作でもある。最初の印が全体のイメージの方向性を決定づけ、すべての描線は、それ以前に描かれた線に反応した結果からあらわれたもの。マイヤーズがつくる描線の集積は、静と動であり、秩序と混沌、完全と不完全といったイメージをつくり出している。作品の核心は作家自身の時間との関係性であり、それは自然の時間、測定できる時間、個人的な時間を行き来する方法を学ぶことでもあるという。

 本展「Light as a Feather」は、葉山アーティスト・レジデンシー創設者でありディレクターのデクスター・ウィンバリーがキュレーションを担当。エステラとマイヤーズ、それぞれの新作が展示される。