EXHIBITIONS

杉山陽平 個展「adam_eve」

杉山陽平 adam_eve 005

杉山陽平 adam_eve 004

杉山陽平 adam_eve 022

 イラストレーター・杉山陽平による作品展示「adam_eve」が銀座 蔦屋書店で開催。「男と女」をモチーフにしたシリーズが展示される。

 杉山は金沢美術工芸大学視覚デザイン科卒業。これまでに書籍や雑誌のほか、百貨店のサイネージや広告、化粧品会社のウェブ動画、高級ホテルの内装のアートワークなどを手がけてきた。和のテイストのほか、機械や人間、乗り物など杉山が取り上げるモチーフは幅広く、いずれも抽象と具象の狭間を描き、ものごとの本質をあぶり出すことを創作のテーマとしている。

 今回展示される「adam_eve」シリーズは、私たちが持つ「こうあるべき」という認識の縛りを脱したときに残るであろう人間の本質について、男性と女性をモチーフに表現したもの。「アダムとイブ」というアイコンを抽象化することにより、効率化や合理化が進む現代のなかで個性が埋もれがちな現代の人間の姿を映し出す。人間の身体性や情緒はにじみや擦れなどの技法で、技術や社会構造の絶え間ない変容によって受ける影響はグラフィカルでシャープなラインで表現されている。

 抽象と具象のあいだに独自の造形を見出す杉山の視点から、「男と女」の本質に迫った「adam_eve」シリーズを楽しみたい。

 なお出品作は、銀座 蔦屋書店の店頭およびアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」にて販売される。