EXHIBITIONS

宮村弦「BRAILLE CODE」

2022.06.10 - 07.02

宮村弦 BRAILLE CODE - 見えているふり 2022

宮村弦 点字ドローイング(どうか) 2022

宮村弦 BRAILLE CODE - 雨を聴く 2022

 MARUEIDO JAPANでは、墨象作家・宮村弦(みやむら・げん)の個展「BRAILLE CODE」を開催する。

 宮村は1980年静岡県生まれ。新潟大学大学院教育学研究科教科教育専攻 美術教育(書道)専修修了。美術評論家・栗本高行から「宮村弦が放つ墨象表現は『読む抽象』である。」と評される。

「前衛書以後」の作家として、書を大胆に解釈した作品を発表してきた宮村は近年、書の美意識を背景に暗号やモールス符号、点字(BRAILLE CODE)などの言語記号やそのシステムを題材にした言語の新たなイメージを提起している。

 本展出品作「BRAILLE CODE」は、点字を文字のひとつとしてとらえ、書の立場、晴眼者の視点から点字の視覚美や機能美を表現したシリーズ。作品は、点字がふれることで読み解かれていくように、書の用具用材が凹凸に接触することで立ち現れる現象を用いて構成されていく。また作品に用いている布などの素材感は、実際に手でふれた際のひとつの鑑賞要素としても作用していくという。視覚障害者と晴眼者は、視覚を通して作品を共有することはできないが、宮村は本シリーズにふれることで最終的に、相互に新たな感覚を得られることを展望している。

 加えて会場には、梅雨の時期にあわせ、尾崎放哉の雨の句などを視覚化した作品も展示され、詩情と余韻が漂う空間となる。