EXHIBITIONS

地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング

2022.06.29 - 11.06

《ヘーゼルナッツの花粉》を展示するヴォルフガング・ライプ(豊田市美術館、愛知、2003)
Courtesy of ケンジタキギャラリー(名古屋、東京) 撮影=怡土鉄夫 ※参考図版

ギド・ファン・デア・ウェルヴェ 第9番 世界と一緒に回らなかった日 2007
Courtesy of Monitor, Rome; Grimm, Amsterdam; Luhring Augustine, New York 撮影=ベン・ゲラーツ

飯山由貴 海の観音さまに会いにいく 2014 撮影=宮澤響 ※参考図版

ロベール・クートラス 僕の夜のコンポジション(リザーブカルト) 1970 撮影=内田芳孝+岡野圭、片村文人

蔡佳葳(ツァイ・チャウエイ) 子宮とダイヤモンド(部分) 2021
「ツァイ・チャウエイ:子宮とダイヤモンド」(リブ・フォーエバー財団、台中、2021)での展示風景

金沢寿美 「第6回新鋭作家展 影⇆光」(川口市立アートギャラリー・アトリア、埼玉、2017)での展示風景 撮影=阿部萌夢

 森美術館が展覧会「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」を開催。2020年のパンデミック以降の新しい時代をいかに生きるのか、心身ともに健康である「ウェルビーイング」とは何かを、現代美術に込められた多様な視点を通して考える。

 本展のタイトル「地球がまわる音を聴く」は、オノ・ヨーコのインストラクション・アート(*)から引用したもの。パンデミック以降の世界で人間の生を本質的に問い直そうとする時、想像力こそが私たちに未来の可能性を示してくれるのではないか、という意も込められている。

 本展には、アーティスト16名が参加。森美術館ならではのリアルな空間での体験を重視し、インスタレーション、彫刻、映像、写真、絵画などの作品を紹介する。

 参加アーティストは、エレン・アルトフェスト、青野文昭、モンティエン・ブンマー、ロベール・クートラス、堀尾昭子、堀尾貞治、飯山由貴、金崎将司、金沢寿美、小泉明郎、ヴォルフガング・ライプ、ゾーイ・レナード、内藤正敏、オノ・ヨーコ、蔡佳葳(ツァイ・チャウエイ)、ギド・ファン・デア・ウェルヴェ。

 自然と人間、個人と社会、家族、繰り返される日常、精神世界、生と死といった、生や実存に結びつく主題の作品を展示することで、「よく生きる(ウェルビーイング)」への考察を促すとともに、パンデミック以降をいかに生きるか、16名の作品の想像力を借り、複雑で広大な世界を省みることの見つめ直しを呼びかける。

*──コンセプチュアル・アートの形式のひとつで、作家からのインストラクション(指示)そのもの、あるいはその記述自体を作品としたもの。