EXHIBITIONS

都美セレクション グループ展 2022

眼差しに熱がこぼれる

丸山直文 camp2 2021 ©︎ Naofumi Maruyama Courtesy of ShugoArts

金田実生 今は夕刻を歩くままに 2022 Courtesy of ANOMALY

高橋大輔 km (2017)-2019 Courtesy of ANOMALY

長谷川友香 ネバーエンディングストーリー 2020 Courtesy of XYZ collective

「都美セレクション グループ展」は、東京都美術館のリニューアルオープンを機に2012年にスタートした展覧会シリーズ。新しい発想によるアートのつくり手の支援を目的として、同館の展示空間だからこそ可能となる表現に挑むグループを募り、その企画を実施してきた。

 今年は、応募のなかから厳正な審査を経て選ばれた3グループが展覧会を実施し、絵画、立体、映像、インスタレーションなど様々なジャンルの作品を展示する。

 ギャラリーCでは、「まなざしの熱」による展覧会「眼差しに熱がこぼれる」が開催。金田実生、高橋大輔、長谷川友香、丸山直文の4名が参加する。

 まなざしの熱は、紙を支持体として油彩やドローイングを制作してきた金田実生を中心に、企画者として本郷かおる(グラフィックデザイナー/switch point)、金森千紘(アートマネージャー/infans.)が加わり結成。「作家が何に向かい制作をしているのか」「私たちはその表現に何を見ているのか」作品と対峙した時にある眼差しに重きを置きながら、深度を増すきっかけを広く作家とともに考えることを活動目的としている。


「眼差しに熱がこぼれる」と題された本展には、金田とともに、油絵の概念を超えた厚塗りの絵画を手がけることで知られる高橋大輔、ロココ時代の風俗画を使った作品などで、本物と偽物との複雑な関係性のなかに人間の営みの本質を表現する長谷川友香、ステイニング技法を用い、「絵画の内部にしか発生しない空間の可能性」の探究と実践を続けている丸山直文の作品を展示。

 また会期中には、石川卓磨(美術家、美術批評)、沢山遼(美術批評)を迎えた全2回の公開講座を実施する。

 企画の金森は本展について、「絵画だけで構成された展覧会を見たい、というとてもシンプルな思いを出発点としています。現在では『絵画』と一言で言っても、キャンバスや紙に描かれたものだけを指すわけではありません。今回は、関連イベントである公開講座も含めて『眼差し』を一つの基点とし、見ること、見つめることを観賞者と共に考えたいと思います」と述べている。

 なお、東京都美術館では現在「都美セレクション グループ展 2023」の企画を公募している。応募締切は2022年7月8日(当日消印有効)。