EXHIBITIONS

IN BETWEEN / 境界

2022.05.13 - 06.18

ソクチャンリナ・リム National Road Number 5(Series 2020) 2020 © Sokchanlina Lim Courtesy the artist and nca

ピヤラット・ピヤポンウィワット From Somewhere to Nowhere(still image) 2021 © Piyarat Piyapongwiwat Courtesy the artist and nca

タワン・ワトゥヤ YOU HAVE SAVE THE WORLD 2022 ©︎ Tawan Wattuya Courtesy the artist and nca

 nca | nichido contemporary artがグループ展「IN BETWEEN / 境界」を開催。国際的に活躍するタイおよびカンボジア出身のアーティスト5名、ソクチャンリナ・リム、リナ・ファー、ピヤラット・ピヤポンウィワット、アリン・ルンジャーン、タワン・ワトゥヤが参加する。

 ソクチャンリナ・リムは、現代のカンボジアにおける政治や経済、環境、文化的変化やその問題に焦点を当て、写真、映像、パフォーマンスなど多様な手法を用いて作品を制作。リナ・ファーは、自身が過ごした児童養護施設でのワークショップをきっかけに写真に興味を持ち、フォトジャーナリストとしてキャリアをスタートさせたのち、社会問題をベースにしながら個人的な事象を象徴的に写真で表現してきた。

 ピヤラット・ピヤポンウィワットは、グローバル化した経済や社会下における個々の声を通して問題やその状況を明らかにし、背景に複雑に結びついた世界をビデオや写真、インスタレーションなどを用いて視覚化している。アリン・ルンジャーンは、タイにおけるインスタレーションアートのパイオニアであり、その活動は東南アジアの歴史やシンボル、記憶と密接に関わり、社会、経済、政治の変革が個人の生活に与える影響を取り上げている。

 そしてタワン・ワトゥヤは、様々な人たちのポートレイトや動物肖像画を通して、自身が問題視している自国タイで続く政治的混乱や民族間の紛争、社会的ヒエラルキー、外見の重要性を鋭く批判し、現代人が持つ固定観念や矛盾を投げかける。

 東南アジアは他民族、多宗教からなり、複雑な歴史背景と政治、多様な文化が共存するなか、近代の飛躍的な経済成長で熱気にあふれている。いっぽうで、都市と地方、民族間等による格差が生まれ、表には見えない問題も生じている。そのなかで5名のアーティストは、各々の背景をもとに国内外でリサーチを重ね、自国が抱える様々な問題を浮き彫りにし、自由なアプローチによって作品に表している。

 本展では、5名が今回のために制作した新作、および近作を展示する。