EXHIBITIONS

ザ・トライアングル 彦坂敏昭:砂のはなし

2022.05.31 - 09.25

彦坂敏昭 ジャガイモ石 ピムリコ、2020.2.27 2020

彦坂敏昭 ジャガイモ石 ベリオール・カレッジ、2020.3.4 緑 2020

彦坂敏昭 手と砂 2022 ©︎ Hicosaka Toshiaki 撮影=前谷開

彦坂敏昭 手と砂 2022 ©︎ Hicosaka Toshiaki 撮影=前谷開

 京都市京セラ美術館が新進作家を取り上げる企画展シリーズ「ザ・トライアングル」の今回は、「彦坂敏昭:砂のはなし」を開催する。

 彦坂敏昭(ひこさか・としあき)は1983年愛知県生まれ。現在、京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程(彫刻領域)在籍。人と人、人とものとが時間や空間を共有するための仕掛けづくりに注力する作家だ。彦坂は、他者と協働し、ゆっくりと徐々に「場」を構築していくなかで、自分とは決定的に異なる他者や事物の存在を、丁寧に確かめようとしている。

 本展を構想するにあたり彦坂は、私たちの足元にある「砂」に着目。準備段階から同行者とともに「砂」に触れ、拾い、確かめながら、「砂」にまつわる感覚や想念を持ち帰った。そして日常的な物質でありながら、変幻自在でとらえどころがないという、明確な答えを持たない「砂」についての無数の小さな「砂のはなし」が集積した。

 ザ・トライアングルの展示室では砂場が用意され、鑑賞者は実際に砂の手触りを確かめ、砂の上を歩くこともできる。その他にもギャラリーには「砂」にまつわる映像や小品が置かれ、人と人が集うための「場」がひらかれていく。