EXHIBITIONS

辻村史朗展

辻村史朗

 陶芸家の辻村史朗が、イムラアートギャラリーでは約10年ぶりとなる個展を開催する。

 辻村は日本を代表する陶芸家のひとり。味わい深く、型にとらわれない力強い作品は、日本だけでなく海外からも高く評価され、メトロポリタン美術館やボストン美術館をはじめとした数多くの美術館や博物館で作品が所蔵されている。

 1971年、辻村は日本民藝館で古の名もない大井戸茶盌に魅せられ、24歳の頃に作陶を決意。その後、人里離れた奈良の山奥に住処と窯を自らの手で建てて以来、50年にもわたって独自の創作活動に打ち込んできた。

 また辻村の表現は焼きものにとどまらず、絵画や書などにまで及ぶ。内なるものから発する「何か」に突き動かされながら、追い求める「何か」をかたちに表すため、満足のいくまで毎日ただひたすら手を動かし続けている。生み出された作品すべては、その一つひとつに、豪快さのうらに、あたたかみのある美しさを秘め、唯一無二の力強い存在感を放っている。

 本展では、辻村作品のなかでも絵画と壺を中心に紹介。孤高の芸術家が力を注いできた、生命力あふれる作品群を間近にできる好機となる。

 また本展と同時期に辻󠄀村の展示が、美術館「えき」KYOTO(~6月19日)およびZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUM(~8月21日)、昂KYOTO(~6月10日)で開催される。