南條俊輔フランソワ「夢のアルゴリズム」

　小山登美夫ギャラリー天王洲は、南條俊輔フランソワの個展「夢のアルゴリズム」を開催する。

　南條は1981年東京都生まれ。2005年にフランス、トゥルーズ市立ミライユ大学美術専攻で修士課程を取得後、主にヨーロッパとアジアで活動。平面や立体作品、アナログとデジタルといった多彩なメディアを駆使し、理想郷（ユートピア）をテーマに制作を行う。東京、パリ、北京、ミラノ、ニューヨークなどで個展を開催してきたほか、iBiennale MMXIX（2019）、茨城県北芸術祭（2016）、e-art festival（チュニス、2016）など国際展にも参加。また、COMPOSIT Collectiveのメンバーとしても活動している。

　これまで様々なメディアで自身の作品を発表してきた南條だが、今回は最新のペインティングを中心に、映像作品、彫刻作品を展示。本展「夢のアルゴリズム」について、次のコメントを出している。

「この展覧会で紹介する作品は文学、哲学、歴史、映画、インターネットやビデオゲームなどの物語をもとに描かれた作品群です。村上春樹、デヴィッド・リンチ、荘子の夢、あるいはコジマプロダクションのゲーム作品などに描かれた世界観の中には必ずある種の異変、空白、異次元への入り口が裂け目のように生じてきます。そのような隙間は、フーコーのいうヘテロトピア、またはハキム・ベイの指摘するTAZ（Temporary Autonomous Zone）と重なるような意味を持っているのではないでしょうか。そしてそれはメタバースのように、もう一つの世界への入り口でもあるのです。その隙間で生じる物語性に興味を持ち、影響されながら制作した作品です（南條俊輔フランソワ）」。