EXHIBITIONS

孤高の高野光正コレクションが語る ただいま やさしき明治

2022.05.21 - 06.12, 2022.06.15 - 07.10

笠木治郎吉 農家の少女たち

笠木治郎吉 提灯屋の店先

ウォルター・ティンデル ユダの木と清水寺

吉田ふじを 池畔の花菖蒲 明治42

アルフレッド・パーソンズ 富士山

 府中市美術館が展覧会「孤高の高野光正コレクションが語る ただいま やさしき明治」を開催する。孤高のコレクター・高野光正が海外から持ち帰った「やさしき明治」を映す絵画作品が集まる。

 高野光正は1939年、名古屋市生まれの実業家。父の時次は画家・浅井忠の珠玉の水彩画73点を東京国立博物館へ一括寄贈したことで知られている。クリスティーズで鹿子木孟郎の《上野不忍池》を初めて落札したことをきっかけに、日本人作家の情報をニューヨークの知人から入手しつつ作品を蒐集。その後、拠点を英国に移し、在英画商などを通じて蒐集を続けた。現在約700点にのぼる「高野光正コレクション」はほぼすべて、アメリカまたはロンドンでのみ入手した欧米からの里帰り作品である。

 明治時代、紀行文や報告書で知った憧れの日本へやってきた外国人たち。なかでもイギリスから多くの優れた画家が来日し、日本の風景を描くだけでなく、水彩画を日本に伝え、描かれた作品は大切に自国に持ち帰った。本展では「高野光正コレクション」から作品300点を厳選し、知られざる英国の画家と里帰りした日本の画家たち、計77名を一挙に紹介する。

 日本人画家が描いた「明治」、そして来日画家によって描かれた「明治」それぞれの作品からは、明治期の庶民の微笑みと優しさ、日本の画家が世界に示した日本の美を感じ取れるだろう(会期中、一部展示替えあり)。