ART WIKI

アーティスト・イン・レジデンス

Artist In Residence

 アーティストが一定期間ある土地に滞在し、常時とは異なる文化環境で作品制作やリサーチ活動を行うこと。またはアーティストの滞在制作を支援する事業のこと。略称は「AIR」。その起源は、17世紀にフランスの王立アカデミーが、「ローマ賞」を受賞した芸術家をローマに留学させた制度にまで遡ることができる。現代においては1970年代に設立されたドイツのアートセンター「クンストラーハウス・ベタニエン」が先駆的存在として知られる。ヴィジュアル・アートに限らず、演劇、パフォーミング・アーツ、ダンス、学術研究など様々なジャンルに対応しており、奨学金の有無、設備、受け入れ条件などは各制度によって異なる。

 AIRの実施目的としては、優れたアーティストの創作・生活支援、地域文化の振興、異なる文化を持つ国や地域とアーティストとの交流、情報や人的ネットワークの促進といった利点が挙げられる。日本の主なAIRに「アーカスプロジェクト」「国際芸術センター青森」「秋吉台国際芸術村」「AITレジデンスプログラム」「黄金町アーティスト・イン・レジデンスプログラム」「滋賀県立陶芸の森」など。また、日本全国のAIRの情報を日英バイリンガルで発信するウェブサイトとして国際交流基金が提供する「AIR_J」がある。

文=中島水緒

参考
AIR_Jウェブサイト(http://air-j.info/