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青森県立美術館

Aomori Museum of Art

 青森県青森市に位置する公立美術館。2006年開館。建築を手がけたのは、美術館の設計競技で最優秀賞を獲得した青木淳。隣接する「三内丸山縄文遺跡」の発掘現場に着想を得た建物は、トレンチ(壕)のように幾何学的に切り込まれた半地下空間に白く塗装された煉瓦による構造体が覆いかぶさるというユニークな構造をとっている。また、真っ白なホワイトキューブによる展示室と土の床や壁が露出した「土」の展示室が個性的な対比を成しているのも同館の建築の特徴である。シンボルマークをはじめとする総合的なビジュアルイメージは菊地敦己が担当。

 美術館の活動コンセプトには、青森県の豊かな芸術風土や縄文のエネルギーを芸術創造の源泉として捉え、青森県の芸術風土を世界に向けて発信することが据えられている。コレクションは、棟方志功、斎藤義重、工藤哲巳、寺山修司、成田亨、奈良美智といった青森県ゆかりの作家をはじめ、荒川修作、今井俊満、山口長男などを所蔵。海外作家については、マルク・シャガールによる舞台背景画の大作3点を吹き抜けの大ホールに展示するほか、ワシリー・カンディンスキー、パウル・クレー、アンリ・マティスらの作品を所蔵している。そのほか、図書室、コミュニティホール、シアターを併設し、県内外から訪れる鑑賞者の憩いの地となっている。

文=中島水緒

参考
青森県立美術館ウェブサイト(http://www.aomori-museum.jp/ja