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西村陽平

Youhei Nishimura

 西村陽平は1947年京都府生まれ。73年に東京教育大学教育学部芸術学科を卒業後、教職に就きながら作品制作を行う。初期では、やかんや缶、スプーンなどの金属や日用品を焼成して作品化し、物質の変容に着目。90年代より本や紙に粘土を塗り、焼成するシリーズの制作を始め、目で見える「もの」はひとつの姿にすぎないとしながら、その本質に迫る。以降、陶を素材に知覚を喚起させる作品を発表。74〜98年までの23年間、千葉県立千葉盲学校で図工の教師を務め、2001〜18年まで日本女子大学家政学部児童学科で教鞭を執る。教員時代から行っていたワークショップを全国の美術館などで継続し、教育者としても活動する。主な個展に、「物質と記憶」(GALLERY ZERO、大阪、2022)、「彫刻を聞き、土を語らせる 西村陽平展」(愛知県陶磁美術館、2012)、「西村陽平の世界 伝道の書展」(三菱地所アルティアム、福岡、1993)、グループ展に、「Athanor」(プーシキン美術館、モスクワ、2022)、「令和3年度呉市美術館コレクション展Ⅱ」(山口、2021)、「近代工芸の百年」(東京国立近代美術館工芸館、2009)など。作品は、パリ装飾美術館、フランス国立陶磁美術館、ビクトリア&アルバート美術館(イギリス)、エバーソン美術館(ニューヨーク)、東京都現代美術館など、国内外の美術館に多数収蔵されている。