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ヴァサンタ・ヨガナンタン

Vasantha Yogananthan

 ヴァサンタ・ヨガナンタンは1985年フランス・パリ生まれ。自然光に基づく独自の配色を用い、ドキュメンタリーとフィクションが融合する作品を制作している。2015年にマグナム・フォト・アワードを受賞。17年には新進の写真家に贈られるICPインフィニティ・アワード新人賞を受賞。13〜19年にかけては、インドの叙事詩『ラーマーヤナ』から着想を得たプロジェクト「A Myth of Two Souls」を進める。2つの王国が織り成す物語をたどりながら、インドの南北で撮影を行った。同プロジェクトは『ラーマーヤナ』に描かれる伝説的な風景写真と、物語のシーンを演じる土地の人々の人物写真によって7章立てで構成。現実とフィクションを混在させ、現代的に翻訳することを試みたと同時に、インド人の画家と協働してモノクロ写真に着色を施すことで、インドの伝統的な手彩色を復活させた。その他の主なプロジェクトに、自由を求めてヨーロッパから何千人もの人々が集まったビーチ「ピエマソン」を舞台とした住民の物語「Piémanson」(2009〜2014)、旧ヨーロッパの風景を巡った「Interludes」(2015)など。19年に日本初個展「A Myth of Two Souls 二つの魂の神話」(シャネル・ネクサス・ホール、東京、2019)を開催。