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アルフレッド・ジャー

Alfredo Jaar

 アルフレッド・ジャーは1956年チリ・サンティアゴ生まれ。チリ大学を卒業し、82年よりニューヨークを拠点に活動。ルワンダ虐殺を取材した《ルワンダ・プロジェクト》(1994〜2000)をはじめ、戦争や政治腐敗、社会的不平等といった問題を意識させる映像作品やインスタレーションを発表。ジャーナリスティックな視点を持ち、イメージが持つ社会への影響力とその限界を問い続けている。これまでヴェネチア・ビエンナーレやドクメンタ、サンパウロ・ビエンナーレ、上海ビエンナーレなどの国際展に多数参加。2013年にチリの国立造形美術賞を受賞。14年にフィンランドのキアズマ現代美術館で大回顧展、17年にヨークシャー彫刻公園で個展を開催した。作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)、テート・ギャラリーなど世界の主要美術館に収蔵されている。

 日本では、1995年の被爆50周年記念展「ヒロシマ以後」(広島市現代美術館)に参加し、その後、反核・反戦を訴えた詩人・栗原貞子へのオマージュとして《I'll always keep singing(For Sadako Kurihara)》(2008)を制作。あいちトリエンナーレ2013では、福島県の小学校から運んだ25の黒板やチョークを用いたインスタレーション《生ましめんかな(栗原貞子と石巻市の子供たちに捧ぐ)》(2013)を展示し、近年、東日本大震災と福島の原発事故の問題に強い関心を寄せている。18年に第11回ヒロシマ賞を受賞し、20年に広島市現代美術館で受賞記念展が開催予定。