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永井英男

Hideo Nagai

 永井英男は1964年大阪府生まれ。88年にアカデミー・グラン・ショミエール(パリ)を、89年にアート・ステューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨークを卒業。身体をモチーフに大小様々な立体作品、ドローイング、映像作品を発表してきた。2006年に不慮の交通事故に遭って以降も、後遺症と向き合いながら制作を継続。プロレスラーを模した約5メートルの巨大彫刻が、重力の苦痛に耐え強くあろうとする精神力を表現した「BABA PROJECT」など、かねてからテーマとしてきた「笑い(ユーモア)」を踏まえつつ、近年は様々な感覚・精神・肉体との関係性を深く掘り下げている。20年の個展「永井英男:刻 21106」(ギャラリーノマル、大阪)では、事故以来14年ぶりに、後遺症のため距離を取っていた絵画の制作に挑み、つねに新たなテーマや表現を追求し続けている。