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アーナウト・ミック

Aernout Mik

 アーナウト・ミックは1962年オランダ・フローニンゲン生まれ。災害を思わせる状況から人々が逃げ惑う様子や、悲劇的な出来事を映し出すヴィデオ作品を制作。無音の映像は、シナリオを俳優たちが演じるフィクションであり、社会問題について連想させるような、しかし反復する脈絡のない展開が、鑑賞者の特定の状況に対する既存の認識に揺さぶりをかける。インスタレーションとして低めの壁に投影されるマルチチャンネルの映像は、視覚だけでなく、その空間にあって見る人の身体感覚にも働きかける。97年の第47回ヴェネチア・ビエンナーレにはオランダ館代表として出品、2000年にはファン・アッベ美術館(アイントホーフェン)で大規模個展が開催された。日本では、「テリトリー:オランダの現代美術」(東京オペラシティ アートギャラリー、2000)、PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015、あいちトリエンナーレ2013、横浜トリエンナーレ2001などに参加。あいちトリエンナーレ2013への出品作《段ボールの壁》では、東日本大震災で実際に避難所となった福島県郡山市の施設において被災当時の生活の様子を再現し、そのなかで揺れ動く人間模様に焦点を当てた。現在、アムステルダムを拠点に活動。