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佐藤雅彦

Masahiko Sato

 佐藤雅彦は1954年静岡県生まれ。東京大学教育学部卒業後、77年電通に入社し、CMプランナーとして活動。CM制作において、曲・音をベースとした映像、商品名の繰り返し、濁音を使ったセリフといった独自のルールやトーンを敷き、サントリー「モルツ」、湖池屋「スコーン」「ポリンキー」「ドンタコス」、NEC「バザールでござーる」などのヒットCMを生み出した。

 94年に独立し、企画会社「TOPICS」を設立。97年に中村至男と協同デザインしたプレイステーション・ソフト『I.Q』が全世界で130万枚のセールスを記録する。99年から2005年まで慶應義塾大学環境情報学部教授を務め、同大学佐藤雅彦研究室の活動として、NHK教育テレビの幼児教育番組『ピタゴラスイッチ』を監修、いまも携わる。また、展覧会のディレクションも担当し、「差分 ーdifferenceー」展(Paul Smith SPACE gallery、東京、2011)、「 “これも自分と認めざるをえない”展」(21_21 DESIGN SIGHT、東京、2010)が開催された。

 これまで手がけてきた広告や映像、アニメーション、歌など、いずれの分野においても、制作時の自身の気づきを重視し、決められたテーマに沿ったメッセージを伝えるための「新しい分かり方」や「表現方法」を研究。「つくり方」をつくっている。

 06年より、東京藝術大学大学院映像研究科教授。主な著書に『毎月新聞』(中央公論新社、2009)、『差分』(美術出版社、2009)、『考えの整頓』(暮しの手帖社、2011)、『新しい分かり方』(中央公論新社、2017)など多数。13年に紫綬褒章を受章した。