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白隠

Hakuin

 白隠は貞享3(1686)年生まれ。臨済宗中興の祖と称される江戸中期の禅僧。禅の民衆化に努めたことで知られる。駿河国原宿(現・静岡県沼津市)の町屋に生まれ、15歳で出家して原の松蔭寺に入り、諸国を行脚して飯山(現・長野県)で悟りを開く。1716年、32歳で松蔭寺に帰り、これを復興した。63年には静岡県・三島の龍澤寺を開山する。60代後半以降、達磨や観音、あるいは祖師のほか、様々な格好の布袋や大黒をはじめとした七福神、親孝行などを説いた墨蹟(ぼくせき)や絵画を揮毫(きごう)。代表作に禅宗の開祖である達磨大師を描いた、縦2メートル近い大作《半身達磨》などがある。68年没。近年の回顧展に「白隠展 禅画に込めたメッセージ」(Bunkamura ザ・ミュージアム、東京、2012-13)、「白隠禅師250年遠諱記念展 駿河の白隠さん」(静岡市美術館、2018)などがある。