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吉原通雄

Michio Yoshihara

 吉原通雄は1933年兵庫県生まれ。吉原治良の次男。54年関西学院大学在学中に「具体美術協会」の結成に参加し、第1回展から第21回展まで毎回出品する。多岐にわたる素材・技法の実験を経て、コールタールや砂を板に付着させるなど大地をテーマとした作品を制作。その後一変して、色彩に富んだ素材(紙テープ・色紙)や蛍光管を用いるライトアートを試み、色帯の流れを一点に絞り込み放射状に上昇する幾何学的形態を構成させた。さらに60年代前半からスプレーを使用したアクションペインティングをいちはやく展開するなど、時代の流れを敏感に感じながら領域の境界を軽やかに越える柔軟な創作活動を行った。63年グタイピナコテカにて初個展を開催。具体解散を機にしばらく作品発表を休止していたが、91年長年の沈黙を破って活動を再開。96年没。