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青木繁

Shigeru Aoki

1882年福岡県生まれの洋画家。17歳のときに福岡県立中学明善校(現・福岡県立明善高等学校)を中退し単身上京。画塾「不同舎」に入り、小山正太郎に師事した。その後、東京美術学校(現・東京藝術大学)西洋画科選科に入学し、黒田清輝から指導を受ける。日本絵画のロマン主義的傾向を代表する存在で、アール・ヌーヴォーやラファエル前派の影響のもとに、曲線と濃い色彩を重視する独自の画風を探求した。1904年の夏、久留米出身の洋画家・坂本繁二郎、福田たねらとともに千葉県館山市の布良に滞在し、マグロ漁に携わる人々を描いた《海の幸》(1904、重要文化財)を制作。同作は日本で初めて洋画として国の重要文化財に指定された。このほかの代表作に『古事記』の海幸彦、山幸彦を題材とした《わだつみのいろこの宮》(1907、重要文化財)など。07年の実父死去以降、生活をめぐり家族と衝突し、ひとり放浪生活をするようになる。11年没。2003年には久留米市と地元企業、地域住民らの支援によって生家が復元整備され、青木繁旧居として一般公開されたほか、16年には館山で青木が滞在した旧小谷家住宅が整備の末、「青木繁『海の幸』記念館」として開館した。