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有識者が選ぶ2023年の展覧会ベスト3:布施琳太郎(アーティスト)

数多く開催された2023年の展覧会のなかから、有識者にそれぞれもっとも印象に残った、あるいは重要だと思う展覧会を3つ選んでもらった。今回はアーティスト・布施琳太郎のテキストをお届けする。

文=布施琳太郎(アーティスト)

「リクリット・ティラヴァーニャ『たくさんの人々』」より、リクリット・ティラヴァーニャ《untitled 2017 (fear eats the soul) (white flag)》(2017)Image courtesy MoMA PS1. Photo: Kyle Knodell

「リクリット・ティラヴァーニャ『たくさんの人々』」(MoMA PS1)

展示風景より、リクリット・ティラヴァーニャ《untitled 1990 (pad thai)》
Image courtesy MoMA PS1. Photo: Marissa Alper

 今年見たなかで、もっとも高い精度の現代美術展だった。パッタイを配る歴史的パフォーマンスの再演、そのアーカイブ展示、そして絵画や映像、参加型インスタレーションなどが所狭しと並ぶ回顧展である。どれもが現代美術が開発してきたあらゆる技術を適切に使用したもので、あまりに適切に世界の複雑さが「展示」されている。高度な知性とコミュニケーション能力に基づいた展示だ。しかし岡山芸術交流における市民団体についてのコメントからも垣間見える姿勢だが「顔を合わせた人」のみに向けられた表現に感じた。それはもはや排他的かもしれない。

青島もうじき『私は命の縷々々々々々』(星海社FICTIONS)

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