ビジネスリーダーたちのアートコレクション:KYNEとの仕事から始まったアートコレクターとしての生き方。岡田喜則(AMIDUS. ・代表取締役社長)インタビュー

自身もコレクターであるコバヤシマヒロが、アートコレクションの共有プラットフォーム「COLLET」でコレクションを管理するアートコレクターにインタビュー。特にビジネスの世界で活躍する人々がコレクションの魅力を語るとともに、アートが自身のビジネスにいかなる影響を及ぼしているのかを取材します。

文=コバヤシマヒロ

岡田喜則
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 今回紹介するのは、アート・ディレクター、デザイナーを経て、現在はリブランディング事業やクリエイターのエージェント等を行っているAMIDUS. 株式会社の代表取締役社長・岡田喜則さんです。

 岡田さんは仕事を通じたアーティストたちとの出会いから、コレクションを始めました。きっかけは4~5年前、KYNEとの仕事だそうです。当時より岡田さんはクリエイティブチーム「FIRSTORDER」として活動しており、福岡にある「NO COFFEE」とのトリプルコラボでKYNEの作品と出会いました。

 「当時はKYNEさんのことをアーティストとしてよりも、コラボを通じて知り合うことのできた、福岡という土地で知り合えた友人のひとりと認識していました。女性をたくさん描いているなぁ……という印象でしたね。コラボアパレルの販売と並行してKYNEさんの作品販売もしたのですが、1時間もたたずに双方が完売してしまいました。売れたことを喜びつつ、自分がKYNEさんの作品を購入することができなかったので、営業時間後にお茶を飲みながら制作を依頼したのが最初のコレクションです」。

 岡田さんの初めてのコレクション作品はKYNEで、しかもコミッションだったというわけです。いまではKYNEにコミッションワークを依頼することはおろか、オリジナル作品を購入することも至難の業でしょう。

岡田喜則のコレクションより、KYNEによるコミッションワーク

 その次に手にしたのは三島喜美代、さらに次はデジタルアートでも話題になることが多い、マッド・ドッグ・ジョーンズでした。

 KYNE、三島喜美代、マッド・ドッグ・ジョーンズ……。共通するのはポップなアメコミ的な感覚だと岡田さんはとらえています。もともとアメコミが好きだったという岡田さん。当初はアート作品を手に入れたという感覚があまりなく、コレクションしているうちにアートに傾倒していきました。

  「KYNEさんは音楽的でもあり、ファッション的でもあり、第一印象でおしゃれだと思いました。女性のモチーフが好きということではなかったのですが、ファッショナブルで素敵だなと思い、コレクションしました。また、三島さんの作品も『週刊少年ジャンプ』やコカ・コーラの空き缶などをセラミックでつくっているので、僕にとってはフィギュアのようなポップな感覚でした。マッド・ドッグ・ジョーンズも、アートを買うというよりはおもちゃを買うような感覚でしたね」。

岡田喜則のコレクションより、三島喜美代のセラミック作品