アーティスト、クロエ・チェン(Chloe Chen)の日本初個展「NOWHERE」が原宿のSOMSOC GALLERYで開催されている。会期は5月28日まで。
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21世紀の中国に生まれのアーティスト、クロエ・チェンは、自己の内面を繊細にとらえ、成長過程で感じた内なる声からインスピレーションを得て制作をしてきた。3歳より創作を始め、当時から中国では「天才少女」と呼ばれていた。13歳でイラストレーターとしての活動を本格的に開始。14歳でストップモーションアニメとモデリングを学ぶためにロードアイランドに留学し、さらに16歳でマンガを学ぶために来日している。
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チェンは楳図かずお、駕籠真太郎、丸尾末広といった日本のホラーマンガや、アニメ監督の湯浅政明、フランスの実験映画などに影響を受けて創作に取り入れてきた。ほかにも、サルバドール・ダリのシュルレアリスム絵画へのオマージュであり、ムンクの《叫び》の恐怖の表現が表出したような作品など、膨大なアートへの知識に立脚し、先人たちへのリスペクトをもとに制作を行っている。
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その作風は一見、暗さを感じるものでありながら、温かみも感じられるものだ。自身の見た悪夢や成長に伴う不安、揺れ動くアイデンティティといった要素を突き詰めるなかで、作家が純粋に事物を見て感じたことについての温かみが表出するのかもしれない。
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これまでにモレスキンやバレンシアガといった国際的ブランドとのコラボレーションも実施してきたチェン。インスタグラムや中国版ツイッターのweiboでも多くのファンから支持されてきた「いま」注目したいアーティストだ。日本初個展となる「NOWHERE」で、クロエ・チェンの「いま」を体感してみてはいかがだろうか。
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