スイス・バーゼル、マイアミ・ビーチ、香港、パリで展開されている世界最大級のアートフェア「アート・バーゼル」。その本場バーゼルでの2023年版が6月18日に閉幕した。
今年は、36の国と地域から284のギャラリーが出展し、1週間の会期中に8万2000人の来場者が集まった。大規模な作品を紹介する「アンリミテッド」部門では、ゲルハルト・リヒターやロニ・ホーン、リチャード・ロング、カール・アンドレなど76のインスタレーションやパフォーマンスが紹介され、大きな話題を呼んだ。また、香港とマイアミ・ビーチで開催された、ギャラリーがブース内でテーマ別の展示を行う「キャビネット」部門は、今年バーゼルで初開催され、14のギャラリーが13の展示を行った。
アート・バーゼルのフェア・展示プラットフォーム担当ディレクターであるヴィンチェンツォ・デ・ベリスは声明文で、今年のフェアについて次のようにコメントしている。「私たちのフラッグシップ展は、アート界がもっとも現代的な実践と並外れた歴史的地位を発見するために招集されるプラットフォームをつくり出す豊かな歴史を持っており、今年も例外ではなかった。ギャラリーのプレゼンテーションは非常に質が高く、参加した美術機関や個人コレクターと強く共鳴し、思慮深い会話と大きな売上につながった」。
売上について見てみよう。美術手帖が入手したセールスレポートによると、ハウザー&ワースは、ルイーズ・ブルジョワによる2250万ドル(約31億9000万円)の彫刻《Spider IV》(1996)や750万ドル(約10億6300万円)の絵画《Untitled》(1953)、ジョージ・コンドの550万ドル(約7億8000万円)の絵画《Figures in a Garden》(2009)など、初日のみで32点の作品を販売。会期中の売上高は7000万ドル(約99億2400万円)以上と推定されている。