ルドンは本当に「孤高の画家」か?
現代美術やマンガへの影響も
検証する展覧会が開催

不気味な怪物たちがうごめく光景や、 幻想的な世界を絵画を描いたオディロン・ルドンの代表作が集まる展覧会が、ポーラ美術館にて開催。挿図・戯画に加え現代作家の作品を紹介することで、ルドンがこれまでに与えてきた影響を探る。会期は7月22日〜12月2日。

オディロン・ルドン III.不恰好なポリープは薄笑いを浮かべた醜い一つ目巨人のように岸辺を漂っていた 『起源』 1883 リトグラフ、紙 岐阜県美術館蔵(前期展示)

 19〜20世紀初頭にかけてフランスで活動した芸術家オディロン・ルドンは、 印象派の画家たちとほぼ同じ世代に生まれながらも、不気味な怪物たちがうごめく光景や、神秘的で幻想的な世界を描いた。

日本風の花瓶 1908 油彩、キャンバス ポーラ美術館蔵

 近年の研究をもとに「夢の世界に生きた孤高の幻想画家」というルドンのイメージを解体。そして19〜20世紀、様々な価値観が交錯する時代に、制作を通して探究を続けたルドンの姿をとらえなおす本展は、幅広い分野の作品101点を通して、ルドンがどのような作品・文化に影響を受けてきたかを明らかにする。

オディロン・ルドン 神秘的な対話 1896頃 油彩、カンヴァス 岐阜県美術館蔵

 またイケムラレイコ、柄澤齊(からさわ・ひとし)、鴻池朋子ら、ルドンと通じ合う幻想的なテーマを追い求める現代のアーティストを紹介。そのほか水木しげるの作品、岩明均『寄生獣』や押見修造『悪の華』など、ルドンの「目玉」を連想させる表現を展開するマンガ作品を比較することで、ルドン芸術の今日的な意義を検証、新たな視点でルドンを見る展覧会となる。

鴻池朋子 素焼粘土 2013 素焼き粘土、 水彩 個人蔵 ©︎Tomoko Konoike

編集部

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