19〜20世紀初頭にかけてフランスで活動した芸術家オディロン・ルドンは、 印象派の画家たちとほぼ同じ世代に生まれながらも、不気味な怪物たちがうごめく光景や、神秘的で幻想的な世界を描いた。
近年の研究をもとに「夢の世界に生きた孤高の幻想画家」というルドンのイメージを解体。そして19〜20世紀、様々な価値観が交錯する時代に、制作を通して探究を続けたルドンの姿をとらえなおす本展は、幅広い分野の作品101点を通して、ルドンがどのような作品・文化に影響を受けてきたかを明らかにする。
またイケムラレイコ、柄澤齊(からさわ・ひとし)、鴻池朋子ら、ルドンと通じ合う幻想的なテーマを追い求める現代のアーティストを紹介。そのほか水木しげるの作品、岩明均『寄生獣』や押見修造『悪の華』など、ルドンの「目玉」を連想させる表現を展開するマンガ作品を比較することで、ルドン芸術の今日的な意義を検証、新たな視点でルドンを見る展覧会となる。